2025年10月5日(日)、陸上自衛隊の富士学校でイベントがありまして。あちこちの駐屯地で開催される駐屯地祭みたいなもののようですが、なにしろ富士ですから、規模もデカいでしょうし、戦車の試乗体験会なんてのもあるそうなので…ということで、折角首都圏にいるんだから地元の岐阜よりゃ近いしな、と行ってみることにしました。
公式webサイトはこちら
どこにあるの?
静岡県の御殿場駅からバスで30分くらい?のところにあります。正直なところトンデモない田舎です。当たり前ですが。
ここへ行くには、普通なら多分自家用車です。イベントの公式ページでは公共交通機関を使っておいでなさい、となっていますが、電車で最寄り駅であるところの御殿場駅まで行き、そこから路線バス…となるとかなりシンドイです。なので首都圏から行くなら高速バスを使うほうがいいみたい。
今回、私の場合は横浜駅西口から出る相鉄バス富士急ハイランド・河口湖行という高速バスを使いました。料金は2100円、所用時間はだいたい2時間です。乗り場は22番ですのでちょいと駅からは離れます。あと、朝早い時間ですからほとんど店が営業してません。なぜか横浜駅というところは公衆トイレが少なくて、駅の改札の向こうにしか無いんですよね。
高速バス自体はトイレ付の車体が来るようですが、駅周辺のトイレが少ないせいか案外混みあいます。
でもって、高速バスは当然ですが座席指定でして、チケットを買う際には行き先を登録しますので、当日の乗客がだいたいどこで降りるか運転手さんはわかっているとは思うんですが、でも普通の路線バスと同じように、降りる停留所の前に押しボタンで「降りますよ」という意思表示をしないと、停まってすらくれないみたいです。

富士学校前の停留所で乗客を降ろして去っていく相鉄バス
入場です
富士学校前というだけに、降りた場所は本当に正門のド真ん前でした。
入るとすぐ手荷物検査があり、バッグの中を入念にチェックしてもらうと共に、体を金属探知機でチェックしてもらいまして、入場するとすぐ案内の紙(こんな感じ)をもらえます。その後は自由行動となりますが、こちとらはまず戦車試乗体験の抽選会に行かねばなりません。入ってすこし進んだ右側に陸上競技でよく使われるようなグラウンドがありまして、そこにテントを設置して抽選をします。
抽選会場は敷地内の3ヶ所にあるそうで、どこに並んでもいいみたい。一か所あたりの当選数は80組。1グループ1回、3本の棒を引いて当たりがでたらチケットを受け取る、というスタイルで、当選が全て出たらそこで抽選会は終了、というとってもアナログな抽選会になってます。
私は10:30の回と12:30の回の2回並びましたが、10:30の回では見事に外れクジを引き、12:30の回ではそもそもクジ引きに到達する前に当選が全て出てしまっておしまい、という散々な結果に終わりました。今回の自衛隊イベント見学では最大の関心事だったんですが、残念無念。
1回目のクジ引きが終わったらとりあえず会場内を見学です。そこで驚いたのが、復元し動態保存されているというくろがね四起が展示されていたことです。
くろがね四起(95式小型乗用車)
正式名称は九五式小型乗用車、詳しい説明はこちら(Wikipediaの記事)。ジープよりもずっと前に実用化されていた日本の4輪駆動車です。復元されたという話は聞いていましたが、実写に会えたというのは感激でした。
日本の技術力・開発力はこの当時だってかなり高いレベルにあったことがわかります。同時に、これを偵察用・将校用としてしか使うことができなかった工業力の低さ、兵站に対する意識の甘さも感じられ、そのソフトパワーの弱さは現代にも通じるなぁとチョイと寂しかったり、色々考えさせられる車体です。
それはさておき、カッコ良いのよねぇ。
そのくろがね四起の横には、95式軽戦車や、

95式軽戦車
その95式軽戦車を改造したブルドーザーなどが展示されてました。

95式軽戦車改造ブルドーザー
ブルドーザーのほうは戦後に生き残っていた戦車を改造して土木工事に使ったものだそうです。工業力が低くてこうした機械を大量に作ることができなかった日本軍としては仕方ないのかもしれませんが、実戦でこうした重機を投入して飛行場整備とかをもっと効率よくやりゃよかったよね、ってのは後世の我々だから言える無責任な発言なんでしょうな。
その他展示とか
敷地内のヘリポートはイベント広場となっていて、キッチンカーがいくつか並び、端っこには歴代の自衛隊の戦車や火砲などが展示されています。
戦車なんかは登って写真とったりできるようで、子どもから大人までニコニコで自衛隊員のイカついニーチャンに写真撮ってもらってました。
他の場所にも展示があったりします。こちらは高機動車と呼ばれる輸送用のトラックで、ボロですが登って写真撮ったりできます。
午後からは訓練展示といって、空砲による模擬戦闘を見せてくれます。

訓練展示への出番を待つ戦車や装甲戦闘車量
様々な車両の発砲の様子とかを見せてくれますので迫力ありますが、だいぶ前にいった森山駐屯地の訓練展示と比べると、大規模なだけに遠く、響き渡る砲声も花火とどれほど違うんじゃ、と言われると…な感じでして、正直なところ迫力だけならあっちのほうがスゴイですな。来るのが大変なことも考えると、案外市街地にある駐屯地のほうが見ごたえあったりするのかもしれません。
色々見たいぜ、ということならこちらのほうが断然イイんですよ。だから見る目的とかによって違ってきちゃうってことですな。
お帰りです
さて、戦車試乗体験でダメダメだった私は、イベントが終わるよりもかなり早く駐屯地を出て帰ることにしました。まずは路線バスで御殿場へ。臨時バスが出ているということでしたので
油断してましたが、これが遅れまくり。結局20分くらい遅れてきたものの、富士山観光とルートが重なるせいか、トンデモなく混んでます。既に乗車する時点で席なんか空いておらず、満員状態の立席、またカーブが多いため立っていると変なところに力が入り、シンドイことこの上ないです。
また外人さんの観光客も大勢のっていて、これが御殿場駅に到着すると必死こいて降りようと前に出ようとするんですな。多分あーゆー行動でもって「外人は列に並ばない」とか言われてしまうんでしょう。前のオッサンが「皆降りるから待ちな」とチョイとイラついた声で制止してましたが、そもそも日本語がわからないらしくやはり必死の形相で降りようとします。
中国人は並ばないとか言うけれど…
私は随分昔ですが少しだけ中国語をお勉強したことがあったので、その中国人のおねーやんらしき二人組に「請等一下」(「ちんたんいぃしゃ」と発音しますが抑揚がとても重要なのでこの平仮名を普通に読んでも多分通じないです)と声をかけました。これの意味は「ちょっと待ってや」です。後は英語で「これは行列していて皆ここで降りるから」と言ってやったら、落ち着いたようで待ってくれました。
私らだって海外にいくとそーなりがちかもしれません。よーするにわかんねぇんだけど降りなきゃなんないことだけは明白なので必死になってるんですな。大丈夫やから待ちなはれ、と言ってやれば、落ち着いて待ってくれるんです。これはちょいと新鮮な驚きでした。
もっともその後、中国語が分かる人だ!みたいな感じで怒涛のごとく色々話しかけられて閉口しましたが。何しろそれ以外わかんねぇんだもんよ。
そしてモバイルsuicaの落とし穴
御殿場からは国府津駅まで御殿場線で移動、国府津からは東海道本線で東京まで帰ります。
ここでちと失敗しました。
御殿場線はJR東海の営業エリアだったんです。なので御殿場駅でsuicaで入ったら、JR東海とJR東日本の営業エリアを跨いでしまうため、一旦国府津で降りて駅から出て乗りなおさないとアカンかったのですな。
あたしゃその後首都圏で降りようとしたら開札がガチャンと閉まって、係員のいるところへ行けと言われ、行ってみたら「営業エリアが違いますんで、次からは切符買って下さい」と陰気な感じの駅員に注意されてしまいました。
そんなもんはお前らの都合であって乗客の利便性考えたらおかしいことくらいわかれ、と心の中で毒づいて、ソトヅラの良い私は「はい、すいませぇん♪」と言って通りました。
JRはずいぶん前に分割民営化され、サービスはいくらか向上しているとは思うんですが、分割したことによってサービスレベルが落ちている面も間違いなくあって、その辺ってあまり反省されていない気がするんですよね。だいたい鉄道事業なんてよほど都会でなかったら儲かるわけないんだから、JRなんて全国で一つにしておかなきゃそらぁローカル線は廃線一方になっちまうって。何とかして。
でもって、わたし個人にしてみたら、時間はあったし、国府津駅は海岸に近く、ちょっと海見物してブラついてから帰るかなぁって思ったんですよね。そうしていたらあんなトラブルにはならなかったことでありましょう。疲れていたからソッコー帰るべしですぐ東海道線に乗り換えたのが運の尽きでしたな。
でもなぁ、正直なところ鉄道の営業エリアのことなんて普段気にしないからなぁ。多分次の機会があったとしても同じ失敗をすると思うなぁ。
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