引越しの手続きは簡単になったか?

備忘録

マイナンバーカードを導入する際のウリって、引越し手続きが楽になるってことだったじゃないですか。で、今回引越しにあたって、カミさんが手続きしようとしたんです。

そうしたら、ですよ。全然ダメですわ。

転出がマイナポータルからできます…まぁそうですな。一応できますわ。でもその後がマジで全然ダメ。

転出届のその後は

だいたい、そもそも転入手続きのためには市役所へ行かなきゃならんってのはおかしいでしょうが。「転出届の提出をしなくて済みます」これだけなん?面倒くさいのってむしろ転入だよねぇ??

ところが一向にそれが改善される気配なんてありませんよね。おそらく国のエラさまなんてぇのは、基礎自治体の窓口で一般ピーポーが何を面倒に思ってるか、なんて、来る人のことも役所の対応する人のことも何も考えてないし見てもいないんじゃないかな。一度引越しの手続きを自分でやってみろっての。

これだけでも印象最悪ですが、更にハラ立つのは、転出届を処理した翌日に市役所に行ってみると「データ反映されてないからわからん」…はぁ???

どんな間抜けなシステムなん?

大量のデータが処理されてることはわかるけど、それを処理するための仕組みでしょうに。翌日の処理に間に合わんでどーする。でもって、それがダメならせめて、いつ市役所に行ったらいいのか具体的に教えろっつの。

カードの手続きのため市役所へ

でもって更にアホくさいのは、市役所で転入届が済んだ後、マイナンバーカードの券面変更手続きというのが必要になるんです。

何かというと…

書いてある住所を書き換えるの。コレが滅茶苦茶安っぽい。その辺に売ってるシールのようなものに新しく印刷した住所、それを貼り付けるだけです。

にもかかわらず、転入手続きが済んでしばらく間をあけてからでないと処理できない

おかしいよね。運転免許証の住所変更なんてすぐ済むじゃん。

もちろん、運転免許証の住所変更はこれまでは全てアナログで処理してましたよ。だから早く処理できてたんですってか?

ちょっと待ちなさい。

デジタル化したら早く効率的になるんじゃなかったの?

それに、マイナンバーカードが免許証になるとか…まさか、免許証もマイナンバーカードのアホなシステムに引きヅラれて面倒くさくなるのかしらん??

それでなくてもね、マイナンバーカードが存在しなかった時代、こんな手続きは必要なかったんです。なのに、それが増えた。これは、マイナンバーカードの導入によって明らかに増えた手続きなんです。

国民健康保険…

マイナンバーカードの制度や仕組みとはちと違う話ですが。

国民健康保険は、基礎自治体が処理します(正確には、都道府県が保険者で保険料徴収や加入等の事務手続きは市町村だそう)。これがまた面倒くさい。カミさんの場合、毎月払うのが面倒くさいので、前納してました。これがアカンかったのです。

前の住所地で、払った分のうち転出以降の分は返してもらって、次に転入先で支払い手続きしないといけません。

面倒くせぇ。

なんのためにこんな制度になってるんだろう?健康保険ってそもそも全国民に均一に提供されるサービスであるべきなんじゃないの?なんで年金と制度が違うんだろ?

それに金を返してまた払って…っていう仕組みがもうイケてないことこの上なし。なんでそんな負担をせにゃならぬ。せっかく前納してるんだからさ、保険者間で処理してくれよ。不足がありゃ払うし、払い過ぎてりゃ返せってだけだよ。事務的にはそんなに変わらんのに、そっちのほうが安全だし、役所はともかく国民のほうは楽になるやろ?

この仕組みの無駄なことに気付いてないとしたら、デジタル化の担当者諸君、君たちはバカなのかな?

セキュリティ保護…?

そして今回の事務手続きにおいて、これまたアホだなぁと思った件が、世帯主の取り扱いです。

世帯主ってのは世帯の代表者として住民基本台帳に記載する人のこと。昔は家を単位に住民を管理してましたのですっげぇ大事だったかもしれませんが、今は世帯主には何の権限もなく、単に記録のための世帯の代表者ってだけです。

で、現在の我が家は、2か所に家があります。元の家の世帯主は私のまま。面倒なので住民票を移していません。今住んでいるところは仮住まいというか、わたし的には出稼ぎの拠点に過ぎず、生活の主体を元の家に置いたままです、っつー建て前になってます。

今住んでいるマンションのほうは、現在の世帯主は息子になってます。カミさんは引越してくる際に失業してますので、失業保険を貰うためにはこっちに住民登録を移さないといけなかったのです。

その際、世帯主は息子のままにしてました。若干不自然かもしれませんが、少なくとも法律上は別に問題ありません。ところが、です。

市役所の担当さんは、世帯主である息子に確認をせねばならぬ、と言うのです。

で、その方法。カミさんに電話させ、息子が出たら電話を市役所の担当さんにかわり、口頭で間違いないことを確認していたそうです。

え?

それ、誰に電話かけてるか、わかってんの?

そらまぁこちとらはもちろん正しく息子に電話かけているんですが、そのことを市役所の担当さんはどうやって確認したんでしょう?っつか、確認なんかしてません。

ゴメン、担当さんには何の責任もないですが、バカなんじゃないだろか?

確認も何も、コレって不正やりたい放題じゃん。もっとやり方考えてあげなさいよ。本人に確認するにしたって、折角マイナンバーカードって仕組みがあるんだから、登録とかできるでしょ?なんで電話で確認なのさ。しかも誰にかけてるか確認もしないで。

デジタル化で効率悪くなってる

今回は、引越しの手続きについて色々とバカなことがいっぱいあるなぁと思い知らされました。デジタル化で行政効率化なんてことを言ってバラ色の未来を夢見ていた人たち、申し訳ないけど既に破綻してますよ。未来はドドメ色です

マイナンバーカードの券面変更のために、整理券を配る機械まで導入して、その機械を使って整理券をもらうために、市民は行列し、案内係の人を立たせていました。このこと一つとっても、行政デジタル化は、明らかに手続きを増やして事務効率を悪くしています。

肝心な効率化できるところには何も手をつけず、カードの導入だけ急いで事務や制度を見直すなんてぇことはほとんど何も手をつけなかった。現場の仕事は何も見ないで法律だけみて事務フローを理解した気になり、転出だけカードでやれりゃちっとは手続きが楽になるだろってことで、やった気になって喜んでる。それが今の行政デジタル化の実態です。

こんなに酷いとは思わなかったな。

これ、市役所とかのせいじゃありませんからね。そもそもの制度設計が悪い。国の責任です。でもたぶん、国の誰一人として、こんな酷いとは思いもよらないんでしょう。だって東京にいて自分で引越し手続きすらせず、市役所・区役所になんて行ったこともない、なんてぇ人たちがやってるんでしょ?

エラそうにふんぞりかえって、デジタル通を気取るアホな大臣だのをはじめとしたエラさま、外国のサービスを導入することばかりに躍起になってるコンサルのエラさま、そんなのがよってたかって変にデジタルツールをゴリ押しして、肝心の事務は何も効率化せず、でも効率化が前提になってるもんだから人が足りない…すげぇディストピアじゃん。

ほんと、マジで一度現場を視察じゃなくて自分で申請手続きやってみなさいよ。そのうち窓口の担当さんを叱り飛ばしたくなるだろけど、それってお前ら自身に対する罵声だかんな?

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